スターフォックス、ファイアーエムブレム、幻想水滸伝2のオーケストラCDは思わぬ苦戦?

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この夏にKickstarterでスタートしたゲーム作品のオーケストラCDを作ろうというキャンペーンが、好調なスタートとは裏腹にその後伸び悩んでいます。勝ちパターンを踏んでいたキャンペーンに、一体なにが起こったのでしょうか?

有名ゲームソフトをテーマにオーケストラCDを作るキャンペーン

Kickstarterで開始されたこのキャンペーンはスターフォックスなどメジャータイトルのBGMをベースにオーケストラCDを作ろうというものです。任天堂など版権元の許諾も得ており、固定ファンの多いタイトルですし、私も当初は安心してゴールできる案件と考えていました。

ちなみにこのキャンペーンはKickstarterのお墨付き、いわゆるProject We Loveに選ばれています。更に一度に1つのキャンペーンというKickstarterのルールを外れて同時に3つのキャンペーンを同時公開できた辺り、運営サイドと何らかの繋がりがあると思います。そういうわけで、勝てないはずの無い案件でした。

一度キャンセルして再スタートしている

開始した時、スターフォックス、幻想水滸伝2、ファイアーエムブレムの3タイトルのキャンペーンが同時にローンチされました。

ところが開始1週間ほどして妙な動きが出てきます。なんと3つのキャンペーンを一旦キャンセルし、再度出し直すという異例の事態となったのです。キャンペーン運営者のVGM Classics側の都合ということですが、進行中のキャンペーンをキャンセルして出しなおすというのは珍しいです(一度失敗したキャンペーンがリベンジすることは有る

再開した時にはよりハードルを下げてきた

当初、各タイトルの目標達成額は400万円弱に設定されていました。つまり3タイトル全てのCDが完成するには約1300万の資金調達が必要ということになります。流石にこれでは達成が難しいと考えたのか、収録時間を引き下げる代わりに全タイトルを170万円ほどに引き下げました。これで合計500万円ほどで制作を開始できる計算になります。

またリワードも11有ったものを5つに絞込み、価格も調整しました。バッカーにとって各リワードの中身がわかりやすくなり、こちらもかなり好印象な調整と言えます。

結果的にこれらの対策はプラスの効果を発揮したと思います。スターフォックスとファイアーエムブレムは伸び悩みましたが、幻想水滸伝2に関しては無事目標を達成しました。個人的に幻想水滸伝2が一番苦戦すると思っていたので、これは驚きです。反対に新作が出続けているファイアーエムブレムは最も苦戦しています。

それでもストレッチゴールの達成は厳しそう

新キャンペーンでは数段階のストレッチゴールが設定されており、440万円を超えれば収録ボリュームを大幅に拡大することが出来ます。しかし今の進行状況を見ると、全タイトルでストレッチゴールを達成するのは難しいでしょう。

ゲーム音楽というファン層の確立された分野、更に多数のファンを獲得しているタイトルで何故これだけ苦戦したのでしょう? このキャンペーンはメディア向けのプレースもしっかり出しており、国内メディアでも取り上げられました。

一つはミュージックカテゴリー特有の難しさが考えれます。Kickstarterのミュージックカテゴリーはインディーズバンドが小額の資金調達をするのに広く使われており、100万円以上を集める大型キャンペーンよりも10万円くらいの小粒なキャンペーンの方が目立ちます。その点ではあまりコストのかかった案件を投じるには適切なフィールドとはいえないかもしれません。

また、このキャンペーンに限らず、既存のメジャータイトルが横展開するためにKickstarterを利用するのは大なり小なり苦戦する傾向に有ります。Kickstarterには日本でも知られるようなブランドやタイトルが参入することが有りますが、「あのタイトルで苦戦するのか…」というケースは少なくないです。逆に知名度の無い新規タイトルが躍進したりするので、そのあたりはKickstarterの面白さと解釈することも出来ます。

日本からの支援も可能

最後になりますが、このキャンペーンからは日本からの支援も可能です。リワードも日本へ発送してくれるため、クレジットカードさえあれば気軽に支援することが出来ます。各タイトルのページは以下の通りです。

www.kickstarter.com

スターフォックス64

www.kickstarter.com

幻想水滸伝2

www.kickstarter.com

ファイアーエムブレム・エコーズ もうひとりの英雄王