なぜクラウドファンディングで炎上狙いの人が出てくるのか?

なぜクラウドファンディングで炎上狙いの人が出てくるのか?

ここの所、クラウドファンディングではいわゆる炎上してしまう案件が立て続けに発生しています。フィリピンのスラム街を行く費用を募集したり、バイクの免許の取得費用を募集したりとその内容は様々ですが、時にはメディアにも大きく取り上げられる様な事態に発展しています。

クラウドファンディングそのものは非常に便利

クラウドファンディングはインターネットを介して不特定多数から資金を調達するもので、ほぼ0コストで他人から資金を集めることが出来ます。

これまでは個人が銀行からまとまったお金を借りるのは容易ではありませんでしたが、クラウドファンディングは比較にならないほど低いハードルをお金を集めることが出来てしまいます。

資金が無くアイディアを実現できなかった人達に取って非常に容易に資金調達を行える便利な手法ですが、その一方で運営するのが必ずしもプロとは限らないため、キャンペーンが炎上してしまうこともしばしば有ります。

クラウドファンディングのPRは非常に難しい

では何故キャンペーンの広告に炎上という手法を選ぶのでしょうか?

それはクラウドファンディングサイトにキャンペーンを立ち上げただけではほとんど露出する機会が無いからに他なりません。資金の調達額はある程度露出度に比例します。ただ掲載していても誰も見てくれないわけですから当然資金を調達できません。それ相応のPRの戦略が必要になるわけです。

しかし普通の人は数万人のフォロワーを持っていませんし、自分の情報を広く発信することに慣れていません。そういう時手っ取り早く情報を広める手段として炎上を選択するわけです。

また現在の日本ではクラウドファンディングのキャンペーンの質が良いことでメディアの注目を集めることは残念ながらほぼ無いです。資金調達が成功しても興味を示してもらえません。メディアへの掲載は有料でプレスリリースを流すか、ある種の派手さが必要で、『炎上』という手法は後者の点で強いです。

ちなみに炎上にもいくつかパターンが有り、意図せず燃えるケースも有れば、意図的に燃やしていくケースも有ります。クラウドファンディングで炎上してしまうケースのほとんどは前者で、炎上を戦略的に取り入れられているケースはほとんど有りません。

炎上=悪とも限らない

news.nifty.com

意図的に炎上させるケースとしては最近ではキングコングの西野氏が3億円をクラウドファンディングで支援を求める件が話題になりました。この場合は本人も煽りに煽ったので意図的な炎上と定義することが出来ます。こういう一見派手で物議を醸す内容はシェアされやすく、短期間に情報を広めたいときには有効です。

特にクラウドファンディングは通常30日という短期間の勝負ですので、口コミの様にゆっくり広まっていく広告キャンペーンとは相性が良くありません。

初心者ほど適切な広告キャンペーンを勧めたい

最後になりますが、基本的にクラウドファンディングをされる方には従来の広告を利用したPRの手法をおすすめしています。

というのもクラウドファンディングサイトの多くが、キャンペーンの成否に関わらず、過去のキャンペーンを原則削除しない方針をとっているからです。つまり炎上して失敗といった最悪のケースでも後々までウェブの世界に残り続けることになります(ただし途中で取り消すことは可能

長期に渡って悪評を残すよりは、Googleアドワーズなどを利用した基礎的な広告キャンペーンを打つことや、SNSでコミュニティを築きシェアを広げるような正統派のPR手法を取った方がプラスになりやすいでしょう。特に個人名を出してキャンペーンを立ち上げる方におすすめできます。