日本のクラウドファンディングにありがちなこと
こんにちは、MOSです。今日は日本のクラウドファンディングシーンでありがちなことをまとめました。CAMPFIREに出ている案件とKickstarterに出ている案件を比較してみると、結構主流の案件に違いがあって面白いですよ。
日本は「ふんわり」案件が多い
諸外国に比べ、日本人は気軽に寄付する習慣が無いと良く言われます。日本社会において寄付したりされたりすることが無く、日常と縁が遠いことかもしれません。しかし日本のクラウドファンディング案件を見ると実質的に寄付を求める様な案件が非常に多いように思います。
具体的には「落としても割れないスマホを作りたいから資金調達する」という様な非常にゴールがはっきりした案件よりも「スマホを買って勉強に役立てたいから資金調達する」「世界1周して見識を深めたい」という様な資金調達後のロードマップがはっきりしないふんわりした案件を立てるケースが非常に多いということです。
しかしこうした案件にもそれなりに資金が集まっているため、運営者側のメリットが大きく、出資者へのメリットが明確でない実質的に寄付に近い案件でも、全く受けないとは言えないと私は考えています。
逆に海外ではどうかというと、資金調達しても完成させられず桁違いの資金が戻ってこなくなったことも有り、プロトタイプの資料やビデオ等、何かしらの具体的な資料を求められることは多いです。
これは正直言って海外の方が被害の発生規模が大きいことから投資家保護のためにこうなったので、一概に海外が優れているとは言えません。しかし出資する側としてはクリアな環境になっている傾向は有ります。
海外のクラウドファンディングキャンペーンの輸入が多い
例えば最近Makuakeで200万円を調達したThinking Egg。見た目も可愛くユニークな商品なので人気のキャンペーンになりました。しかし実はこれ、今年の初めにKickstarterで同じ物が販売されています。
その時のページがこれ。日本のクラウドファンディングサイトでは、そこで資金を集めて開発するというより、海外で資金調達を成功させたキャンペーンを代理店として輸入して販売するという、ある種成功の決まった案件が目立ちます。自身のアイディアで勝負するより、既に成功した他人のアイディアを持ち込む手法が発展している形です。
クラウドファンディングサイトを通販に利用しても問題有りませんが、開発や量産のための資金を集めるという当初の理念からは離れているように思います。実質的な転売と批判する人もいるでしょう。
このサイト的にも単に国内に輸入しているだけでは紹介する意義をあまり感じないです。
資金の募集期間が長い
これは非常に面白く興味深い違いと言えます。海外では資金調達の期間は30日~40日が普通、20日という例もあります。基本的にあまり長い期間の資金調達は好まれません。
しかし日本ですと30日で募集するという人はかえって少ないです。実際は60日とか更に長いケースも有ります。キャンペーン1つ当たりの募集期間で、日本人はかなり長めに取る傾向が有ります。なぜこうなるのでしょう?
これはクラウドファンディングの資金の集まりをグラフ化したものです。人に寄ってはもっと極端になることも有りますが、一般的に開始直後と終了直前に一気に集まり、中間は緩やかな動きを示します。
理由として、開始直後は身内票やプレスリリースで注文が殺到しやすく、終了直前はクラウドファンディングサイトから終了間際のキャンペーンとして何かしら露出の機会を得られるからです。
資金調達の期間を長くすると、単純に中間のじわじわ集まる期間が長くなり、それだけ調達額は大きくなる可能性が高いです。
ただし、支援者へのメール対応やキャンペーンのアップデートなど、クラウドファンディングを運営する上での人的、時間的コストは掛かり続けるので、この中間の期間を長くするのはコストパフォーマンス的にはあまり良策とは言えないでしょう。私も過去に経験が有りますが、キャンペーン期間が長いとそれだけ中だるみしやすいです。
ルールは無いけどマナーは欲しい
クラウドファンディングのキャンペーンを立ち上げる上で、特に内容にルールは有りません。サイトさえ選べばアダルトな内容でも立ち上げることが出来ますし、他人のアイディアに乗っかることも可能です。
しかし他人からお金を集める以上、自分しか得をしない案件というのはやはりマナー違反でしょう。私もキャンペーンを立ち上げる上で、「これでどうやって支援者の人のメリットに繋がるかな?」というのは常に考えています。もしクラウドファンディングを立ち上げるなら、最低でも「誰かを楽しませる」という観点で立ち上げて貰いたいです。