わかりやすいクラウドファンディングの仕組み

わかりやすいクラウドファンディングの仕組み

クラウドファンディングは不特定多数の人々(Crowd=群衆)から資金調達(funding)を行い、製品の開発や新規事業のスタートを行う物です。

インターネットが広く普及したことで、これまで以上に不特定多数へのアプローチは容易になっており、銀行など従来の貸し手から資金を借りられなかった個人や事業者が資金を集める手段として浸透しつつあります。

これまで資金力が無く作れなかったアイディアが、クラウドファンディングにより市場から資金を調達することで、実際に製品化したり新店舗の開店といった形で実現しています。

小口の資金を大量に集めるのが特徴

銀行からの貸付の場合、1社からまとまった資金を借りることとなります。それに対してクラウドファンディングの場合は、少額を大勢の人から集めるスタイルとなります。

実は出資者側の参加ハードルがとても低いというのも魅力の一つで、有名人のキャンペーンにファンが出資するということも普通に行われています。

クラウドファンディングでは大勢を巻き込む力がより重要で、それ次第では当初の想定を大幅に上回る非常に多くの資金を調達することも可能です。

近年ではSNSが発達したことで個人でもキャンペーン情報を広めることは十分可能です。実際のキャンペーン期間中もSNSの活用は重要な要素となってきます。

またクラウドファンディングを開始する条件というものは特に規定されておらず、比較的厳しいクラウドファンディングサイトでも審査に合格するだけのプロジェクト内容が有れば、個人単位で出展することが可能です。

クラウドファンディングのリスクは少ない

クラウドファンディングでは必要な資金が集まらなかった時、その資金は出資者へ返還されるのが一般的です。

プロジェクトの運営者は資金を得ることは出来ませんが、一方でそれ以上のコストが発生することは無いため、クラウドファンディングそのもののコストは低く抑えられています(ただし最近では前もって多額の資金を投じて望むケースも登場しています

クラウドファンディングそのものにリスクがあまり無いため、同じ人物が複数回キャンペーンを行うことも珍しく有りません。これを書いている私も過去2度のキャンペーン開催経験があります。

ただしその性質上、関係者の人数が膨大になりがちで、個人運営のプロジェクトではコミュニケーションコストが限界を超えてしまう場合が有ります。例えば1000人の出資者が集まった場合、個人で全ての方にきめ細かく対応することは現実的では有りません。

クラウドファンディングは主に3タイプ

クラウドファンディングにはいくつかの形式があり、代表的な物は「寄付型」「貸付型」「購入型」の3タイプです。日本では貸付型と購入型クラウドファンディングの2つが主に発展しており、特に貸付型は市場全体の8割以上を占めています。

一方の購入型も資金調達と手段として定着しており、年間の市場規模は100億円といわれます。個人・法人問わず利用可能で、企業が自社製品をプレゼンする場としても活用されています。

購入型の場合、プロジェクトを立ち上げる層が非常に幅広く、ユニークなプロジェクトが日々立ち上げられています。

日本では2011年より浸透

日本でクラウドファンディングの存在が意識される様になったのは、2011年頃と言われています。これは東日本大震災を機にした復興支援と資金需要が密接に結びついているものと思われます。現在の大手クラウドファンディングサイトであるCAMPFIREやReadyfor?が登場したのもこの頃です。

ポップカルチャー業界が注目する様になったのは、シェンムー3など日本初のコンテンツが海外のクラウドファンディングで億単位の資金調達に実際に成功した2015年頃ではないでしょうか。特に多額の開発資金を要するTVゲーム分野はキャンペーンの運営者側も積極的に参加したことで、クラウドファンディングサイト内の人気ジャンルとして定着しています。

ちなみにアメリカでは大手クラウドファンディングサイトIndiegogoが2008年、Kickstarterが2009年に設立されています。今から10年近く前の出来事ですね。