クラウドファンディングの成功と失敗は始まる前に決まってしまう

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衝撃的な記事タイトルですが、私自身複数回にわたりクラウドファンディングを行い、そしてクラウドファンディング専門サイトを運営した結果、これがかなり核心に迫ることなので記事にまとめてみました。

非常にはっきり言えるのはクラウドファンディングそのものは宣伝活動にならないということです。つまり自分達の活動を知ってもらうという動機でクラウドファンディングをしようとしているなら、既に失敗してしまっています。

クラウドファンディングで成功するのは、既に多くの見込み客を抱えていて注文システムだけ無い、という人たちです。この人たちは別にクラウドファンディングでなくてもAmazonでも楽天でも売れる人達で、クラウドファンディングという形に大きな影響を受けません。ファンが付いていて出せば売れる状態です。

逆にこれから新規顧客を見つけようというプロジェクトがクラウドファンディングでプロジェクトの有効性を図ろうという試みは概ね予想以下の結果に終わります。これはキャンペーン期間中の数十日という限られた期間で多数の見込み客を得る事が不可能だからです。

Web上で集客する経路は大きく分けて3つ存在します。

直リンクは例えばトップページという様な形でキャンペーンページへ向けて貼られている直通のリンクのことです。実はクラウドファンディングではこれが最も大きな役目を果たします。

知り合いに送ったメールなど、自分のページへダイレクトに訪れてくれる方はもっとも支援してくれる可能性の高いお客様です。

しかし直リンクには大きな欠点が有ります。直リンクはそのリンクを見てくれた人しか先に進まないので、絶対数が少ないということです。クラウドファンディングを実施するほとんどの人がこの直リンクを活用するだけのトラフィックを持っていません。

というのも世の中のほとんどの人は1万を越すフォロワーを持ってもいなければ、日に10万回訪問されるHPも持っていません。

つまり直リンクを見てそれを踏んでくれるための集客手段が無いわけです。

一般的に、HPの多くは検索エンジンからのトラフィックに頼っています。しかしクラウドファンディングキャンペーンをGoogleやYahooで検索するという人は非常に少ないのが現実です。特に知名度の無い個人・法人の立ち上げるキャンペーンならなおさらでしょう。

そもそも検索エンジンは既に知っている情報について検索するものですから、知名度の低い物にトラフィックを提供することはそもそも検索エンジンが最も苦手とするところなのです。名前も知らないキャンペーンをどうやって検索するのでしょう?

従って貴方がクラウドファンディングを実施しても検索エンジンから人が訪れるということを期待してはいけません。

関連リンクはクラウドファンディングサイト内のユーザーの回遊によるもので、例えばKickstarterにキャンペーンを立ち上げればKickstarterのユーザーが、CAMPFIREに立ち上げればCAMPFIREのユーザーが来てくれます。

大抵の場合、個々のキャンペーンはカテゴリーによって区分されるため、ファッションや音楽に興味の有るユーザーなど、それぞれの好みで検索しやすくなっています。これらのトラフィックは普段支援を行っている人が大部分で、比較的支援に結びつきやすいのが特徴です。

しかしクラウドファンディングサイト内で大々的に取り上げられない限り、これらのトラフィックは一日辺り数十件も有れば良い方です。個人的な体験として、コンスタントに支援を得るには1日辺り200回程の閲覧が必要なため、これを主要な集客法とするには物足りず、かなり工夫が必要です。

これまで読んで頂いてわかる様に、そもそもクラウドファンディングのキャンペーンのほとんどが、見込み支援者に見て貰えないのが現状です。そのため、多くのキャンペーンが十分な資金を集められない状況にあります。

これを打開する方法は有るのでしょうか?
有効な対策に、キャンペーンの開始と同時にまとまったアクセスを得られる方法を用意しておくことです。これは例えば芸能人をPR代表に据える、ブロガーに記事にしてもらう、大々的な広告キャンペーンを行うなど、色んな手段が有ります。

特に強力なのは既に多くのファンを抱えている人を引き入れる方法です。これなら、その人のファンが初期の盛り上げを担ってくれるため、クラウドファンディングキャンペーンを大きく押し上げてくれます。

クラウドファンディングを行うこと自体は難しいことではありませんが、まずは自分たちが十分な集客を出来るか、良く考える必要が有ります。基本的にクラウドファンディングの集客はサイトに頼ることが出来ず、自分達で行わなければいけないということを忘れないようにしましょう。