個人がクラウドファンディングで100万円以上集めると危険なわけ

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クラウドファンディング業界の成熟のおかげで、今は個人でも数千万円規模の資金調達に成功する事例が登場してきました。こうした大成功の事例を見ると自分も続きたくなるものですが、ここではクラウドファンディングで100万円以上を調達することのリスクについてもまとめたいと思います。

個人で管理できる金額の限界を超える可能性がある

例えば貴方が100万円の資金調達に成功したとします。通常、そこからリワードの生産コストなどを捻出する形となるわけですが、当初の目論見以上にコストが膨らみ、調達した資金以上のコストが発生してしまう場合が有ります。

 

www.crowdfundingweak.com

かくいう私も調達資金の4倍を超えたときは唖然としました…。

クラウドファンディングそのものはとてもローリスクで行えるのは事実なのですが、一度成功すると今度は支援者の方々へリワードを確実に届けるという責任が発生します。

つまり調達額を超えるコストが発生しても出来ませんでした、と簡単に降参することはできないわけです(明らかに無理な場合、コストが発生する前に返金するのも手ですが

そうした成功後のリスクを考えた時、個人が確実に履行できるコストの限界値は100万円から200万円ほどが良いところではないでしょうか。

調達資金の2倍のコストというのは普通にありえるため、100万円の調達でこの領域に到達することになります。

個人レベルで考えた時、1~200万円というお金を右から左にサッと出せるのは独身者で無い限り難しいでしょう。しかも自動車や住宅といった売却可能な物品の購入と異なり、赤字の補填として躊躇なく支払える方は少数派のはずです。

ハードウェアプロジェクトでは失敗の事例が後を絶たない

gigazine.net

例えば手の平サイズの小型ドローンとして4億円以上集めたZANOは、量産品段階で当初予定していた画質や飛行性能を実現できず、Kickstarterで得たバックオーダーのほとんどを出荷することが出来ませんでした。資金的にも立ち行かなくなり、結局破産という形で幕を閉じています・

ZANOのプロジェクトには様々な意見が有りますが、一つ言えることはハードウェアを試作するのと、実際に量産機に機能を落とし込み、かつコストを抑えるというのでは仕事の内容が全く異なるということです。

つまり当初想定していなかったコストで赤字化することは特別珍しいケースではないのです。

自分に取れる責任の範囲を把握しておく

残念ながら4億円という金額は簡単に補償出来るものではないため、ZANOに関しては返金とは程遠い状況です。

クラウドファンディングでまとまった資金を調達することは現実に可能ですが、予測不可能な自体に陥った時、それを乗り越えるキャパシティが自分達にあるかというは念頭に置いておいた方が良いでしょう。

仮に数十万円規模の小規模なプロジェクトなら、赤字化しても何とか乗り切ることが出来ます。しかし数千万規模に巨大化してしまうとそれは難しいです。